開校27年「出る杭を伸ばす!」探究的な学びで子どもの成長をサポートする神戸市のオルタナティブスクール、ラーンネット・グローバルスクール。今回もラーンネット通信では、フルスクールの探究カリキュラムの一つであるテーマ学習についてご紹介します。
中学年クラス、2学期後半のテーマは「伝える」。
とても大きなフレームのテーマに取り組んだ子ども達の様子をレポートします。
【伝えたい事を凝縮して切り取ってみる】
まずは言葉での表現。夏休みに届いたYogiboを題材に、キャッチコピーとラジオCMを作成することに。Yogiboを全く知らない人に伝える為にどう言葉を選ぶか?座った途端に沈む感覚の心地よさ、全身がリラックスする感覚をつぎつぎ言葉にしていく子ども達。続けてラジオCM作りでは、いくつかのラジオCMを聞いて、リズム感や言葉のインパクトを体感。昔話風にアレンジしたり、様々なものを点数化して比較したり、親子の会話を再現したりと、色んなバージョンが出来上がり、録音も楽しんでいました。短い言葉だからこその難しさもあるけれど、やってみるとやっぱり楽しいね。
【言葉に頼らずに表現する】
続いては非言語での表現。ロッジでの写真撮影会、サイレントムービーの制作、演劇手法、日本語を使わないシチュエーション劇などの体験を通して、身体性を持って表現することの楽しさと、言葉がなくても伝わる事を実感!アーティストが多いクラス、どの作品もその子らしさがありました。
【アートで体験する伝える表現方法】
アートの時間は、テーマと連動して「伝える」為のアート技法を体験。色や背景、フォントなどを学ぶ中、子ども達が1番心を動かしたのは「ピクトグラム」でした。
禁止、指示、安全、警告といった注意喚起のものだけでなく、ラーンネットらしいピクトグラムも作りたいと、「人を大切に」「話し合う」「自分で考える」というお題も出てきました。みんなで話し合い、茶色のベースに、金色のフレームで製作することになりました。細かい部分を丁寧に作ったり、大きさを変えることでわかりやすくかつインパクトがあるデザインにしたり。「言葉がなくても、伝わるから面白い!」と黙々と作り上げた作品たちは、確かにとても力がありました。
【最後にみんなが伝えたかったこと】
様々な体験を通して、子ども達が最終的に伝えたいと選んだのは、色んな人がいる世界についてでした。テーマの中で、ユニバーサルデザインについて学ぶ際に、目隠しをしてシャンプーのボトルや飲み物の缶を触ってみる体験が、みんなにとってはとても大きなものだったようです。色んな人がいる中で、伝える伝わるには?様々なグループが立ち上がりました。
手作りの手話や点字での伝言リレー、目隠しをした人に、腕を組む/言葉をかける/音で知らせるなど、様々なコミュニケーションをとり、どのやり方がその人に伝わるのか一緒に歩いてもらうコーナー、目の不自由な方が出てくる演劇、ピクトグラムを指差しながら誰とでも会話が出来る「PickTalk」と様々な「伝える」がありました。演劇グループは、お財布を落としたシチュエーションでの劇でしたが、どうしてこの劇を作りたかったの?と聞くと、「色んな人がいて、それは特別な事ではなく、皆んなで助け合う事」という答えがかえってきました。
みんなの熱気と表現する力に、ナビの私が多くを学んだテーマとなりました。
伝わらない、わからない、ぶつかる、そんな事も沢山あるけど、だからこそ、相手を理解しながら自分の思いを伝える、その気持ちをずっと持ち続けていってほしいなと思います。
(ao)
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