ラーンネット通信

「ありのままを表現してね」~バンビーナ1学期をふりかえって~

 あっという間に7月になり、子ども達とも「もうすぐ夏休みだね」と残りの日数を指折り数えるようになりました。今回の通信では普段あまり話すことのない、ナビゲータの気持ち、みたいなものを発信できたらと思いながら書いてみました。

 

 今年度は4人という少人数で始まったバンビーナ。日々、一人一人が自分のペースで生活を楽しみながら過ごしていると感じています。小規模とはいえ、家庭とは違う小さな「社会」の中で過ごす子ども達。そこで子ども達が自分らしく過ごすため、様々な活動に取り組むためには「安心感」が必要だと思っています。1学期は子ども達がバンビーナの中に人でも物でも場所でも何でもいい、何か1つでも「安心」できることを見つけてほしいと思いながら関わってきました。

 

 

 

 子ども達は、楽しいこと、嬉しい気持ちに心を躍らせたり、思い通りいかなくて悔しくなったり、なんだかちょっと疲れちゃったり、と毎日色々な表情を見せてくれます。ありのままの感情を表に出している子ども達を見て「それでいいんだよ」といつも思います。笑いたかったら笑えばいいし、怒りたかったら怒ればいい、気が済むまで泣けばいい、ちゃんと最後まで一緒にいるよ、という気持ちで子ども達を見守っています。ポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情も思い切り表に出していいと思っています。あんなに全身で怒って全身で泣けるのって幼少期の今の時期だけですから。その中で、自分の気持ちを向き合い、どうやって気持ちを切り替えていくのか、どうすればよかったのか、と繰り返し考え、身につけていく手伝いが出来たらと思います。

 

 

 

 一人の笑顔につられてみんなが笑ってパッと雰囲気が明るくなることもあれば、誰かの泣き声に室内が静まり返る瞬間もあります。自分だけでなく、他人の感情にも出会う、というのも大切な経験だと考えています。今はまだまだ自分の気持ちで手一杯の子ども達、まずは自分の感情が優先でいいじゃないかな、と思います。自分の気持ちが分からない、言語化できない今、相手を思いやるのはとっても難しいことです。もちろん、種をまくのは大切です。今は種まきの時期、色んな気持ち、様々な経験を通して初めて、相手のことを思いやることができる最初の芽が出て、育っていくんじゃないかな、と思います。

 バンビーナの子ども達も、1学期の間に色んな気持ちを経験してきました。一瞬一瞬がとても尊く、かけがえのない瞬間で、それをそばで見守れることを嬉しく思っています。さて、夏休みが終われば2学期の始まりです、どんな姿が見られるかな、と私が一番ワクワクしているかもしれません。生活の中で、楽しいことってたくさんあるけれど、その中から好きを見つけるって、実はとっても難しくて本当に大切なことだと思います。安心、という土台の上で、これからじっくりじんわり、それぞれの好きを見つけていけるよう2学期からも子ども達と過ごしていきたいと思います。

(みさと)