テーマ学習「生き物」 体験を通してして楽しく学ぶ!
今年度最初の5・6年生のテーマ学習は「生き物」です。クラスに何人か生き物好きはいますが、あまり興味のなさそうな人も…どんな反応をするのだろう。
みんなで「生きものとは何か」、「外来生物」、「生物の進化」、「遺伝」、「バイオミミクリー」などについて話をしました。それなりにみんな興味を持って話を聞いたり意見を述べたりしていましたが、話をしている時よりも子ども達の目がキラキラしていた時間が実習の時間でした。今回は顕微鏡で細胞や微生物を見る実習と、魚を解剖する実習を実施しました。
まずは顕微鏡を使った実習です。顕微鏡を使う練習も兼ねて玉ねぎと人の細胞を見てみました。植物と動物の細胞の違いを見ることができました。次に川からとってきた水を覗いてみました。初めのうちは何を見たらいいのかが分からず、生き物がなかなか見つかりませんでしたが、1人が見つけると次から次へと「なんかいる!」の声が上がりました。素早く動き回るもの、ゆっくり動くもの、ほとんど動かないもの、緑色のもの、丸い形のもの、細長い形のものなど、次から次にいろんな微生物を発見することができました。「気持ち悪~い」という反応もあったのですが、誰かが「これ何?!」と声を上げると「見せて!」と子ども達が寄ってきます。普段見ることができない小さな生き物の世界に、みんなの興奮が止まりません。きれいに見える川の水にたくさんの微生物がいることが分かると、「次から川で遊ぶのがちょっと気持ち悪いなぁ」という声が上がりました。違うんです。こういう小さい生き物が川の水をきれいに保っているんです。この経験から、少しは微生物たちに感謝の気持ちを持てるようになったかな?
次の実習は魚の解剖です。魚の体の中を見て、人間と比べてみました。今回解剖したのはアジ。まずは触ってみます。ぜいごの固さを感じたり、口を開いて中を覗いたりしました。次にはさみを使って肛門から腹を切り開いていきます。片側の腹の肉を取り除いて内臓を見てみると、一番目についたのが精巣/卵巣です。精巣は白色、卵巣は黄色で、おなかを開くとオスとメスの区別がつくことが分かりました。次に心臓を見つけました。他の内臓と違って少し硬かったです。血液を循環させるために筋肉が発達しているためだと思われます。背骨付近には浮き袋がありました。魚の体はそのままでは沈んでしまうので、浮き袋で浮力を調整しています。そのため海の底で生活する魚には浮き袋がないものも多いようです。次にエラを口から切り離し、内臓を引っ張り出しました。口から食道、胃、腸へとつながっていました。胃は心臓同様筋肉がしっかりしているのか少し硬かったです。
内臓を見た後は目を取り出してみました。目の中にある水晶体を取り出しましたが、人間のレンズ状の水晶体と違い、魚の水晶体は球体です。光の屈折の関係で、まん丸の方が水の中で見やすいのだそうです。
いろいろなものを見ていると「気持ち悪~い」という声も聞こえてきましたが、誰一人やめることなくみんなが真剣に最後まで解剖に取り組んでいました。ほとんどの子が手袋をして解剖をしましたが、何人かの猛者たちは「素手でやる!」と手袋なしで解剖に取り組みました。
解剖をした後は希望者のみでしたが、それぞれが「焼く」、「揚げる」などして食べました。揚げ物にチャレンジした人たちは骨まで揚げて食べていました。
五感をフルに活用した学習は子ども達の記憶に深く刻まれたのではないでしょうか。バーチャルで色々な事が学べる時代だからこそ、子どものうちにリアルな体験をたくさんして欲しいなぁと思います。
(くまちゃん)
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