新学期はじめの大仕事、「クラスの名前決め」があります。この1年間、16名のメンバーで過ごすクラスの名前を自分たちで決めます。どんなクラスにしたいかから考えるのですが、低学年はとりあえず自分の好きなもの、自分がこうしたいから考えてきた名前が次々に挙がります。最初は27個ありました。書記をしたい2年生が順番に仕切ってくれるのですが、16人みんなが納得する名前にするのは至難の業です。
初日と2週目のクラスの時間を使って話し合ったのですが、なんとも平行線。いいと思うものに手を挙げて、誰も手を挙げなかったものを消して、11個に絞ったものの、残ったものをくっつけるのにも多すぎます。「多数決では決めないよ」と伝えるとそれはわかっているようでした。話し合う時間もなくなり、外で遊びたい休み時間を使うしかありません。
全員がやっと揃った休み時間後半に2年生のSくんが「提案していい?」と話し始め、「2年生で話し合ってたんやけど」と前置きして「ぼうけんのもりはどう?」と言い出しました。どんな意味があるの?と聞くと、2年生は口々に説明してくれます。「この森は冒険ができる学校だから!」「この山にピッタリだと思う!」「冒険」も「森」も今まで出てなかった言葉なのですが、「自然」や「つくる」「わくわくたのしい」など似たような意味の言葉は出ていたので、一気にみんなの気持ちがまとまっていきました。でもここで一言言いたい1年生。Nちゃんが「呼ぶときに長いからいやー」「じゃあ呼び方を考えようよ」「ぼうもり」「けんもり」「ぼうけん」「もり」口々に言います。これをまとめるのは大変だと思ったので「呼び方は何でもいいにしない?」と提案すると、「いいね!」「わかった」ということで、『ぼうけんのもり』に決定しました!!
先輩の行動を頼もしく見ていた去年の1年生が今年は2年生になり小さなリーダー役として張り切っています。その2年生たちの提案で一気に名前が決まるという、大人が予想もしない展開になりました。16人が合意するってとても難しいのですが、それをやってのけたこのメンバー。この1年間、どんなふうに育っていくのか楽しみです。
(まっきー)
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